歴史背景
ICOMOSとは、国際記念物遺跡会議(ICOMOS/ International Council on Monuments and Sites)のことで、文化遺産保護に関わる国際的な非政府組織(NGO)です。記念物保存に関する国際機関を設置しようという構想は、1961年、ユネスコ本部で開かれた第8回国際記念物委員会で生まれました。これを受けて、1964年、ヴェニスで開催されたSecond International Congress of Architects and Technicians of Historic Monuments (第2回歴史記念建造物関係建築家技術者国際会議)で、記念物と遺跡の保存と修復に関する国際憲章(一般には「ヴェニス憲章」の名で知られています)が採択され、この憲章の精神を国際的に実現していく組織として、ICOMOSを設立することが決定されました。そして、ユネスコ本部で開かれたの第13回総会ではこの決定にもとづき、補助金の支出が決められ、ICOMOSが1965年に設立されました。1965年6月、クラクフ(ポーランド)で国際イコモスの第1回総会が開かれました。2017年5月現在では参加国は153カ国以上を数え、国内委員会が各国で組織され、文化遺産保存分野の第一線の専門家や専門団体が様々な活動を行っています。