◇趣旨:
本研究会は、被災文化財を保存修理として扱った例や、指定解除後に復元的再建を行った例について紹介します。修理か再建かは被災の程度によりますが、その線引きはあいまいなところがあります。諸般の事情から指定解除を行えないまま再建された例もあり、再建したものが登録文化財や地方指定文化財になっている事例もあります。その他、海外の事例としてワルシャワ再建についても触れながら、これら様々な事例の基礎知識を本研究会を通じて共有していきます。
なお、この研究会は、翌日に開催される憲章小委員会WG/日本<>イコモスEP主催「オーセンティシティに関する連続研究会(第2回):被災文化遺産を通してオーセンティシティを考える」の内容と連続性を持っているため、双方へご出席されることでより深い理解に繋がるものとなっております。
◇日時:6月10日(土)16:00~18:00
◇開催方法:オンライン(Zoomミーティング)
※先着90名、要申込
◇申込方法:下記URLよりお申込ください。
https://pro.form-mailer.jp/fms/3cb90667287366
※メール・電話でのお申込は原則受け付けておりません。
◇参加費:無料
◇主催:日本イコモス国内委員会
◇ブログラム
16:00~16:05 趣旨説明(日本イコモス理事 田原幸夫氏)
16:05~16:25 講演1「被災文化財建造物の修理」(ICORP日本代表 益田兼房氏)
16:25~16:45 講演2「被災文化財建造物の復元的再建」(日本イコモス事務局長 矢野和之氏)
16:45~17:05 講演3「ワルシャワ歴史地区の再建」(NSCwood委員 アレハンドロ・マルティネス氏)
17:05~17:55 質疑応答(モデレーター:日本イコモス第1(憲章)小委員会主査 藤井恵介氏)
17:55~18:00 閉会挨拶(日本イコモス委員長 岡田保良氏)
◇注意事項:
※非会員の方もご参加いただけます。
※お申込みいただいた皆様へ、前日に視聴リンクをお送りいたします。
※Zoomへの入室時、お名前はフルネームでご設定ください。
※講演中は、ビデオとマイクはオフにしていただくよう、お願いいたします。
※本研究会は録画・録音いたしますので、予めご了承ください。
「神宮外苑地区市街地再開発事業環境影響評価書」に関し、東京都環境影響評価審議会令和5年第1回総会において、事業者(代表:三井不動産株式会社)が説明された内容は、下記のとおり『自然環境アセスメント技術マニュアル』(自然環境研究センター)に記載された科学的方法論を遵守しておられず、数多くの誤りと虚偽の内容を、事業者自らが立証されたものとなりました。
東京都環境影響評価書としては、著しくレベルの低いものであり、世界に誇る「環境都市・東京」の実現に向けて、再審を要請いたします。
また、条例第七十四条の二に基づき、東京都環境影響評価審議会において、日本イコモス国内委員会の説明を聴き、資料の提出を行う機会を設けていただきたく、再度、要請いたします。
・資料1.「神宮外苑地区市街地再開発事業環境影響評価書」に関する日本イコモスの指摘に対する事業者回答の検証(その1)
・資料2.明治神宮外苑現存植生図
■趣 旨
オーセンティシティに関する連続研究会の2回目は、第1小員会(憲章小委員会)と共同開催とし、被災建造物の再建におけるオーセンティシティを考える機会とします。
オーセンティシティは、文化財に関するどの国際規範を理解する上でも欠かせない視点で、早くは1965年のヴェニス憲章の前文に“It is our duty to hand them on in the full richness of their authenticity.”と記されています。第二次世界大戦で傷つき或いは戦後の復興や開発で危機に瀕した建造物や遺跡を守るにあたり、その歴史的・文化的価値の信頼性を確認するための理念として掲げられたこの言葉は、特に世界遺産の普及と共に様々な国や地域の多種多様で多数の文化遺産に適用されるようになりました。
遺産保護を巡る状況がヴェニス憲章作成当時から大きく変化したことで、奈良ドキュメントにみられる様にオーセンティシティの理念に関する見直しが図られ、現在もその途上にあると言えます。材料の観点においては、作成当時主対象としていた石材だけでなく、土、木や草、鉄やガラス、コンクリート等、保存対象となる材料や伝統技術が多様化しています。遺産の範囲も単体から集落・都市、文化的景観へと広がり、生活や産業、信仰や慣習等との関係性が深まる中では、地域や民族のアイデンティティといったソフトな視点から有形文化遺産のオーセンティシティを捉える必要も高まっています。
オーセンティシティの解釈の探求は、文化遺産とそれを取り巻く社会の動向に即して尽きることのない作業です。近年では、自然災害や火災で被災したものの復旧におけるオーセンティシティの考え方も論点の一つとなっています。
この課題について、『ICOMOS Guidance on Post Trauma Recovery and Reconstruction』のとりまとめを先導されると共に、ノートルダム寺院と首里城の修復に係るシンポジウムを開催した国際イコモス名誉会長河野俊行先生から、その被災が所有者や地域社会にも大きな影響を及ぼした文化遺産、いわゆるポストトラウマ状況をもたらした文化遺産の復旧を通してオーセンティシティをどう考えてこられたか、お話を伺います。
■主催
憲章小委員会WG/EP常置委員会
■プログラム
1)趣旨説明(5分)
EP主査 山田大樹
2)共同開催に寄せて:憲章小委員会におけるオーセンティシティの論点について(15分)
憲章小委員会 下間久美子
3)講演「被災文化遺産を通してオーセンティシティを考える」(60分)
九州大学名誉教授・国際イコモス名誉会長 河野俊行先生
4)質疑応答(40分程度)
■開催時期
6月11日(日)13-15時(12:55入室可)
■申し込み用アドレス
https://forms.gle/NtLE2MPse7Qve7LVA
2023年4月24日、(一社)日本イコモス国内委員会は、都庁記者クラブにて、(仮称)神宮外苑地区市街地再開発事業環境影響評価書における「虚偽の内容」の説明と、(一社)日本イコモス国内委員会の審議議会への出席と説明の機会の公平な提供に関する再度の要請について、記者会見を行ないました。
開催概要は添付資料をご確認ください。
内容は、以下のサイトを御覧ください。
https://youtu.be/yHynSqT--gs
会員に向けてインフォメーション誌を年に4回発行しています。理事会の報告や会員の活動、国際学術委員会(ISC)、 関連の国際会議、国内の研究会の報告などが掲載されています。